COLUMN

【佐賀の山の情報はすべて把握されている!?】

わたしたちが住んでいる佐賀県は、県の面積の45%を森林が占めています。
他県と比べると決して森林が多いとは言えませんが、森林から伐り出された木材が、家や道具の材料として利用されるなど、大昔から森林は人々の生活に深く関わってきました。
また、きれいでおいしい水や空気をつくり、土砂崩れや洪水を防いでくれるなど、森林は私たちの生活を守る大切な役割を果たしています。

佐賀県の森林は、人工林率が67%と高く、その割合は日本一という大きな特徴があります。
人工林率とは人の手によって植えられ育てられた人工の森林(主にスギ・ヒノキ)の割合のことで、昔の人がたくさん木を植えてくれた過去からの贈り物です。

遠くから見るとどれも同じように見える山の木ですが、植えられた年代や、手入れの状況などによって、その健康状態は様々です。
手入れ不足になると、植えた木が混み合って、細く長く成長し、台風や雪で折れたりします。また、太陽の光が森林内に差し込まないことから、下草等の植物が育たない環境になり、土壌がやせ細り、水を蓄える力が失われたり、大雨の際に土砂災害がおこったりする恐れがあります。

このような森林の状態を把握し、適正な手入れをするため、県では平成23年度に航空レーザー計測を行い、県内すべての森林の樹種、樹高、本数、材積などの資源量や、地形データを取得しました。
これらの森林資源情報は、伐採計画や災害復旧工事など、様々な分野で活用されています。

そして、1回目の計測から13年が経過する今年度は、2回目の航空レーザー計測を行う予定です。前回の解析データと今回の解析データを比較することで、さらに精度の高いデータを取得することが可能となります。
このことにより、手入れ不足の森林を特定し、解消するための森林整備の推進や、佐賀県で開発した新品種サガンスギの普及など、さらなる森林資源の有効活用に繋げていくことが期待されています。